この試合を一言で表現すると、こうなります。
「勝っただけ」
平日のまっ昼間の千葉。徳島代表対沖縄代表。いったい誰がこんな試合を観にくんねん。そもそも、次の2回戦が5日ってスケジュールはどないやねん。まあね、試合前からいささかムカついていたのは事実なんですが、それにしてもお粗末な試合でありました。もし、わたくしめにとって、この試合がFC琉球の試合を見る初めての機会だったとしたら、間違いなく二度と見に行こうとは思わんでしょうな。でもって、チームにニックネームをつけるとしたら、こうします。
「FC琉球バックパサーズ」
中一日で次の試合が待ってる。相手はJのチーム。なんとしてもベストの状態で臨みたい。できることなら、体力を温存しておきたい。選手たちの意識の中に、そんな思いがなかったといったらウソになるでしょう。ただ、200人少々だったとはいえ、「FC琉球ってどないなもんやねん。トルシエが総監督やっとるチームってどないやねん」的な興味を持って、有料のチケットを購入してくださったお客さんがいたわけです。相手はJの下部組織とはいえ、立場的には純粋なアマチュアで、こっちはれっきとしたプロだったわけです。
でも、残念ながら、この日のFC琉球から強い印象を受けたお客さんがいたとは思えない。プロチームと認識してくださった方も、「これだったら次のジェフ戦はおもろいことになるかもな」なんて考えてくださった方も、皆無だったはずです。うんざりするほど繰り返されるバックパス。パス&ストップを繰り返す選手たち。1対1の状況でのドリブル突破を禁じられていたんですかと突っ込みたくなるほど臆病なプレー。ま、もし自分がチケットを買って試合を観戦してたら、ついでにビールの2~3杯でも引っかけてたら、間違いなく「カネ返せ!」と罵声を飛ばしてました。
南アフリカでの日本代表を見ても明らかなように、サッカーの世界では、ダメダメだったチームが突如として変貌することがあるのは事実です。だから、この試合がダメだからといって、次のジェフ戦もダメだとは限らない。でも、仮にジェフ戦での琉球が信じられないほど素晴らしいサッカーをやったとしても、それは必然的なものじゃない。ただの偶然。サイコロを振ったら6回連続して同じ目が出たようなもんで、次も同じことをやろうと思ってもほぼ不可能なわけですよ。格下を相手にきっちりとしたサッカーをやって、手応えを感じたうえでジェフとぶつかる。で、イワす。琉球のポテンシャルであればそれが十分に可能なことだと思っていただけに、このしょっぱすぎる試合には、正直、ガッカリです。3得点のうち、2得点はセットプレーから。アマチュア相手に流れの中から点の取れないチームが、どうやってJのチームからゴールを奪おうっていうんでしょ。
去年までの琉球と今年の琉球の違いはどこにあるか。ゴール前に侵入する人数の多寡。個人的にはそう思ってました。クニが、ケンジが、中盤の深いところから長い距離を駆け上がってチャンスにからむ。ゴール前での人数の多さが、ボールを持った選手の選択肢の多さにもつながっていた。だから、得点数も、得点をする人間の数も増えた。にもかかわらず、この試合の琉球は、自分たちの特徴、ストロングポイントを、自ら放棄してしまった感がありました。そこに泣きたくなるほどお粗末なミスパスが頻繁にからんだもんだから──ま、血管が切れそうな試合ではありました。
とはいえ、トーナメントは勝たなきゃ意味がないのも事実なわけで、とにもかくにも、1回戦を突破できたことはヨシとしましょう。というか、意識が次の試合に行ってしまったものだから、ひどい試合になってしまったというのであれば、許すことにします。去年のスペイン国王杯では、3部リーグのチームがレアル・マドリードを倒しました。ただ倒しただけじゃない。4発ブチこんでの勝利でした。ジェフはもちろん格上のチームですが、スペイン3部リーグのチームにとってのレアル・マドリードほどじゃない。勝てるチャンスは十分にあるとカネコタツヒト的には踏んでおります。今日の試合でいささか期待がしぼんでしまったとはいえ、そう、30パーセントぐらいの確率は。