2008.11.17

vs ジェフ・リザーブズ

 さ、何事もなかったかのようにいきますか(笑)。

 ありがたいことに、琉球が関東に行くたびに足を運んで下さる東京のベテラン記者の方がいる。記者席で一緒に試合を見ていると、その方から思いも寄らぬ一言をかけられた。

「琉球って、こんなだったっけ」

 思わず言葉に詰まってしまった。というのも、前半の戦いぶりに、カネコタツヒトとしてはある程度の満足感を覚えていたからである。ボールポゼッション、シュート数でジェフを圧倒し、こちらのピンチは皆無。澤口は相変わらずの磐石ぶりで、久しぶりに起用された三好、久保の集中力の高さも光っていた。なんというか、安心して見ていられる試合だったのだ。

「もっとボールも人も動くチームだった印象があるんだけどなあ。なんだか、バックパスばっかりになっちゃったね」
 
 ベテラン記者の方が最後に琉球を見たのは、6月の流通経済大学戦。3対1で琉球が快勝した試合だった。

 言うまでもなく、こちらは琉球の試合をほとんど見ている。前節のホンダ戦ではあまりの情けなさに言葉を失った。で、ホンダ戦との比較論において、ジェフとの戦いに満足していた自分がいたわけだ。

 でも、久しぶりに見た人にとっては違ったってことですな。

 サッカーにおいては結果が内容を蝕むことがある、というのは個人的にお気に入りのフレーズなのだが、どうやら、気づかないうちにカネコタツヒトもすっかり蝕まれてしまっていたらしい。ずっと一緒にいるヒトが太ったか痩せたかわかりにくいのと一緒。たぶん、6月の段階での琉球は、もっとカッコいいサッカーをやっていたのだ。

 ま、これだけ大事な試合をことごとく負け続けていたら、矜持を持ち続けろっていうのも無理な話。むしろここは、こんな成績に終わってしまった琉球にも、ベテラン記者をうならせるサッカーをやっていた時期があったんだと、ポジティブにとらえるべきなのかもしれない。

 でもね、0-1とされてからのシュート数がゼロっていうのにはガッカリです。

 それも、前半のシュート数では10対2と圧倒した相手に、だからね。


2008.11.04

vs カターレ富山

正式な記録を見るまで、20対7ぐらいかな、と思っていた。琉球が20でカターレが7。シュート数の話である。

 実際は12対12。

人間の感覚って、特に主観が混じってくると、まことにアテにならないものだと改めて痛感させられました。

 ただ、ひいき目ではなく、試合を終始押し気味に進めたのが琉球だったのも事実。ま、カターレからすると、悲願のJ2昇格が手の届くところに見えていて、しかも早い時間帯にリードをしてしまったものだから、選手の意識が「2点目を!」ではなく「同点阻止!」に大きく傾いてしまい、結果として相手を呼び込む形になってしまった……ということになるのかもしれん。

 それでも、この日の琉球は立ち上がりから明らかに違っていた。澤口、高松、鎌田。この3人がミドルレンジからバンバンと狙っていく。“狙っていく”ということは“狙える位置に攻めあがっている”ということで、見ている側からすると、実にストレスがないというか、いつもの糞詰まり感を味わわずに済む展開だった。

 失点に関しては、琉球のちょっとしたミスをカターレが見事な決定力でモノにしたという形。9分、カウンターから琉球の左サイドに長いボールが入る。本来はこのポジションにいるはずの高松は攻撃参加をしてしまっていた。誰がケアにいくか。一瞬の迷い。クロスをあげようとするカターレの選手に圧力がかけられない。で、どフリーで入れられたクロスを長身ストライカーがファーサイドでヘディングずどん。以上。1-0。

 それでも、この日の琉球は失点にもまったくひるまなかった。すぐさま3人の選手が複雑に絡み合う動きから相手の背後をとり、GKと1対1になった比嘉がシュート。一度は弾かれたものの、こぼれ球を再度拾ってがら空きのゴールにシュート!(ホームページ2枚目の写真)……が、これが左ポストを叩いてしまった。

結論からいうと、最大の決定機を決めたか外したかが勝敗を分けた、ということになるんだろうが、カネコタツヒト的に非常に満足なのは、すべての選手が戦う姿勢を最後まで貫き通してくれたということ。特に、中盤の選手たちのアグレッシブな姿勢は、ボールを高い位置で奪って一気になだれ込む、という形を再三作っていた。決めるか、外すかというのは、極論すればツイてるかツイてないかという話。パチンコと一緒で、当たる日もありゃ当たらぬ日もある。
でも、戦う姿勢に外れはない。で、長い目で見れば多くのチャンスを作るチームが多くのゴールに恵まれるもの。これまでの琉球は、少ないチャンスしか作ることができず、当然のように少ないゴールしか奪うことができずにいた。

それが、少しずつ変わりつつある。

もちろん、まだまだ修正しなければならない点も多い。高松が凄まじい勢いで相手ペナルティエリアに走り込んだ。山下も比嘉もいる。なのに、そこでバックパス。

栗田が右サイドを駆け上がった。相手DFがつられた。中にも人数はいる。なのに、そこでバックパス。

ゴール前に人数がいるという状況が自分たちにどれほど大きなチャンスなのか。残念ながらわかっていない選手が多すぎる。これはもう、ミーティングで、あるいは練習で、意識の奥深いところに徹底して刷り込んでいくしかない。

相手に退場者が出て、30分以上も1人多い状況で戦えたにもかかわらず、かえってチャンスが作れなくなってしまったのも大問題。一人少ない相手はサイドから崩せ、というのはサッカーの常識なのに、ベンチも、選手も、それをやろうとはしなかった。両サイドを広く使われ、中央の人口密度が薄くなるのが10人のチームにとっては一番怖いことなのに。

ただ、先週も思ったことだけれど、修正するポイントがはっきりしているということは、幸せなことでもある。やっぱり、この低迷は不治の病ではない。

ターニングポイントも訪れようとしている。

これまでの対戦相手は山下を徹底してマークしてくるのが常だったが、この日のカターレは、比嘉に対しても執拗なチェックをしてきていた。ここで比嘉が結果を出せるようになれば、山下の負担は減る。当然、彼のゴールは増える。そうなれば、また比嘉も生きてくる。ベイビー・モンスターが本物の怪物になれるかどうか。彼にとって、サッカー人生の分水嶺が近づいてきている。

次節の相手は首位を走るホンダ。正直、JFLの中では図抜けた存在だと言っていい。しかも、彼らは勝てば優勝が決まる。このカテゴリー最強のチームが、最高のモチベーションをもって沖縄に乗り込んでくる。

だからこそ、勝った時にえられる自信と経験値は大きい。

オトコだったら、やるしかないだろ。